彫師のセイナの元にやって来たジンは、こだわるべき彫りの図柄を一任するという、ちょっと変わった客だった。面食らったものの、実力を認められたようで嬉しいセイナ。意外と世話焼きなジンに、すっかり懐いてしまった。家を飛び出し、実の兄とは気まずい仲であるセイナにとって、頼れる兄貴分ができたようで信頼していたのだ。ところがジンは兄の友人で、彼に頼まれてセイナの元を訪れたと知ってしまい……。