著者名:
フランクリン・コヴィー・ジャパン | |
「コヴィー博士の集中講義シリーズ」は、コヴィー博士のあらゆる著作から、現在のビジネス・パーソンの方々の課題に応えることができるよう、テーマ(セルフ・リーダーシップ、コミュニケーション、チームを導くリーダーシップ、タイム・マネジメント、プロジェクト・マネジメント、信頼構築、Win - Winセールス、キャリア・デザインなど)毎に内容を厳選し編纂したものです。本シリーズによって、皆様の知識としてだけではなく、パラダイム、行動に変化をもたらし、より良い結果という果実を少しでも掴んでいただきたいと思います。本書『ビジネスを成功に導く信頼構築』は、コヴィー博士の『7つの習慣』『7つの習慣 最優先事項』『第8の習慣』『結果を出すリーダーになる』に加えて、コヴィー博士の息子である スティーブン・M・R・コヴィーの『スピード・オブ・トラスト』(以上、キングベアー出版)などから、信頼構築の原則と方法を一冊にまとめたものです。信頼は何よりも大切です。それは家族、友人、恋人などパーソナルな人間関係を思い浮かべれば一目瞭然です。しかも、信頼はパーソナルだけでなくビジネスにこそ不可欠な原則であり、ビジネスを成功に導くエンジンなのです。しかし、現代社会の「信頼」に関する意識は、とても高いものではありません。それは次のような声に表れています。「職場で自分は同僚に足を引っ張られているように思う。自分の成功のためなら人がどうなってもかまわないと考える風潮がある」 「本当に痛い目にあったことがあり、他者をどのように信頼したら、真の関係を築けるのかわからない」 「私の職場は、官僚的な手続きに縛られて組織が硬直してしまっているから、何をするにも時間がかかる」「子どもは大きくなるにつれ、親の言うことを聞かなくなってきた」「職場でどんなに頑張っても認めてもらえないような気がする」「世の中には不祥事や腐敗、倫理違反が蔓延していて、自分は誰かに足をすくわれたような気がする。何を信頼すべきか、誰を信頼したらいいのかわからなくなってしまった」 もしあなたがこのような状況にあるとしたら、信頼がないために協力やチームワークによって大きな成果を上げる文化がなかったり、ひどい場合は権力争いや官僚的体質に陥ったりしていることでしょう。それに対し、ビジネスにはよくあることだと諦めるか、それとも、それに立ち向かったり、あるべき姿へと軌道修正したりすることができるでしょうか。信頼は、ビジネスのスピードやコストにも影響します。信頼が低いと、仕事のスピードは遅くなりコストは高くなります。逆に高い信頼があれば、仕事のスピードは速くなる反面コストは低くなります。信頼はビジネスの成功に不可欠な原則なのです。たとえば、近年のグローバル経済は、信頼への依存度をこれまで以上に強めています。インターネットにより、ビジネスは陸をまたいで行われ、一日の間に中国、インド、ヨーロッパ、 北アメリカなど、地球上のどこにある会社とでも実際に会うことなく取引が可能です。信頼がなければ、こうしたことは成り立たないでしょう。また、労働者の多くが指示に従って動いていた工業・産業の時代は終わり、高い教養を身につけた彼らが幅広い選択肢を手にする知識労働者の時代を迎えています。高い信頼がないと、 彼らは自分の才能をもっと評価してくれる職場に移ってしまうでしょう。最高の人材を求めるのであれば、高いレベルの信頼が不可欠です。
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