著者、中村公也は１９５６年石川県金沢市生まれ。学習院大学卒業後、昭和電機工業株式会社入社、シンガポール現地法人初代駐在員として事務所設立に携わった後。１９８３年国の投・融資事業で、石油資源を確保するために設立された合同石油開発株式会社に入社。同年在アラブ首長国連邦アブダビ、ブンドク社に出向した。それから三十五年六か月勤務。カタール王族と交友関係を持ちアブダビとカタールの石油行政に広い人脈をつくりつつ、アラブの国営石油会社との油田利権契約の更新というむずかしい特別な交渉にあたった。イラン・イラク戦争や湾岸戦争によって多大な影響を受けながらも石油利権失効まで残りわずか１週間という緊迫した状況の中で契約の更新を成し遂げた。我が国への石油供給に命を懸けた一人の日本人のノンフィクションである。