「その男の子にはじめて会ったのは、わたしにとって最悪の日だった」……。小学5年生の夏のある日、美乃里の前に、実というふしぎな少年が現れる。あることがきっかけで、ふたりの「みのり」は、「木島の湯」という小さな銭湯で、お風呂掃除の仕事を手伝うことになった。頑固な「木島のおじいさん」や実のおばあさんとの交流、そして突然やってくる実との別れを通して、少女の心の成長を描く。