真夏の夕刻にも関わらず、ひんやりとした空気が流れる製薬研究所。「お兄ちゃん……」この研究所を辞め、行方をくらませた兄:啓太を探すため、人気のない廃施設へと妹:夕子は一人足を踏み入れた。誰もいない暗く長い廊下。その奥に光る二つの瞳に気づく。夕子は誘われるように引き寄せられ、その瞳の元へと歩みを進める。近づいた瞬間、突如、夕子の足首を何かが絡め取っていた。