長屋住まいの「まつ」はあらばち。金魚の餌「ぼうふら」で日銭を稼いでいるが、長屋管理人の清十郎に、家賃代わりにと身体を迫られる。「おまっちゃんや、声を立ててはいけないよ」―なんだか、へん。おしっこ行きたい―「ああ狭くてきつい……」―ああ痛い! でも声を出しては駄目!―生きる気力を失ったまつは身投げをするため、川に向かって歩き出した。が、そこで出会った御家人「左弦丞」がまつの運命を大きく変える。