直木賞受賞第一作! 『昭和の犬』の次は、『近所の犬』。おんぼろアパートでもっさり暮らしている「私」は、近所の犬を見るのをたのしみにしている。お金持ちのプライド犬モコ、姉のように優しかったシャア、昭和じゃないスピッツ拓郎、男好きのグレース、聡明で情緒豊かなラニ、とんま顔でたらし犬のロボ……近所の犬にとって「私」は、飼い主でも家族でもない。ただの通りすがり。ただの近所の人間だ。それでも、それなのに、胸に去来するものは……?ユウモラスな筆致を、軽やかにたのしんで読める一冊。傑作犬ウォッチング小説。