著者名:
小林蒼 | |
まじめな十八歳の受験生・杉浦優有(すぎうら ゆう)は、兄で大学生の偉久(いく)を頼って上京した。が、この三年間ほとんど音信不通になっている偉久の住所を初めて訪ねてみれば、そこは何とも古めかしい一軒家。 兄は不在でしかも一人暮らしではないらしい。宅配のセールスドライバーをしている好青年の義人(よしと)や、いっけん女性と見まちがえるほどの美貌をもつ家主の冴(さえ)さんといった家族(?)がいたのだ。 この家で兄はどんな生活を送っているのだろう。そして優有は、冴の吸い込まれそうな瞳に見つめられてドギマギしてしまう。その誘うような微笑や優しげな態度が何とも気にかかる。純情一路の受験生にとってここは一足早い成人入試の場なのだろうか−−!? 読めば心に春爛漫の楽しさが満ちてくる、ふしぎな愛のメルヘン、単行本未収録短編。
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