著者名:
英田サキ | |
これも腐れ縁なのだろうか。剣持(けんもち)の家に夜中に押しかける勝手な男、由比(ゆい)。15年来の友人で、しかもフられた相手だ。高校でトップだった剣持は同性愛者で、なぜかビリで問題児の由比に惹かれ玉砕覚悟で告白した。が、意外にも「へえっ、剣持はそうだったのか。男前なのに勿体ない。でも俺、男はパスだから、ひとつ友達としてよろしくっ」と言って握手を求めにへらっと笑う由比には、勝てなかった。心の奥底の熾火は消えなかったが、剣持は達観して諦める。 だが今夜、由比が剣持は恋人に優しいくせして俺には冷たいなどと放言、恋人と友人は違うと売り言葉に買い言葉が飛び交ううち、「じゃあする(!)」と由比が挑発、二人はケンカせんばかりの勢いでホテルへ向かうことに…。何がどうして、第一これで本当にラブアフェアが成立するのか!? おかしくって真剣で作者ならではの妙味が発揮された単行本未収録短編。商業誌未発表の番外編付き。
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