夫婦の倦怠期を感じる暇もないほど子育てに追われる毎日なのに、心のどこかに虚ろなものを感じている智佳子。熟れた体を持て余しているつもりはないが、何か満たされないものがあるような――そんな日常に衝撃が走った。幼稚園に通う一人息子が誘拐されたのだ。犯人が要求してきたのは金ではなく、智佳子の肉体。息子さえ無事なら自分は犯されてもかまわないと覚悟を決め、指定された公園に出向くと、現れたのは数人の中学生だった。電話の声で“もしかして”と思ってはいたが、どうやらヤリたい盛りの少年たちの浅はかな計略だったようだ。しかも全員が童貞らしいとわかると、恐怖は薄れて好奇心が頭をもたげるのだった。