著者名:
北山悦史 | |
高校生の晃一は、近所に住む若妻有紀に心を奪われていた。小さな娘の手を引く彼女の姿を見かけるだけで、胸が張り裂けるほどときめいてしまう。初めて言葉を交わした先週のこと、彼女が実は未亡人だと知って、晃一の気持ちは激変した。夫を亡くして悶々と過ごす夜をついつい想像し、勝手に欲望を膨らませてしまうのだ。そして今日、スーパーで会った晃一を、娘が「パパ」と呼んだ。どうやら彼は、亡くなった有紀の夫と声がよく似ているらしい。パパが死んだことをまだよくわかっていない娘のために、時々電話で声を聞かせてやってほしいと頼まれ、電話番号を教えてもらうと、妄想の中で処理するしかなかった欲望が、にわかに現実味を帯びてきた!
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