「物事を単純に白だ黒だと決めつけて、どちらかを一方的に攻撃する、他人は自分の思い通りに動くものだと思い込む――そうした考えを持つのは、人間の幼児化です。クレーマーの増加はその表れでしょう。それに対する企業も、しばしば『謝りすぎ』ではないでしょうか。本来リーダーであるべき政治家も、大人であるべき中高年も、最近どこかおかしい。知的な面で人々の退化が進み、日本が内側から壊れてしまうことを、いま私は危惧しています」−−著者・榊原英資氏が社会と人々を観察し、成熟とはどういうことかを論じます。