玄佳は、正善のかつての裏切りを許せずにいた。だが今、玄佳は長年無視してきた正善に甘え、恋人として愛されている。それは、復讐を遂げようとする玄佳の捨て身の策略だった。「お願い」の一言で正善を縛り跨がって弄ぶ玄佳の胸中には、復讐の愉悦しかない。それなのに正善は決して拒絶せず、すべてを受け入れる。まるで、それが悦びであるかのように。その献身に玄佳は──。