外科医の佐久間は、胃を悪くした建築士の順也が気になっていた。警戒を露わにする彼が、まるでハリネズミのようで可哀想だったのだ。恋人に裏切られたと自嘲する順也のいじらしい素顔を知り、ますますの庇護欲が湧き上がってきた。そんな時、ついに順也が倒れてしまい、その痛々しい姿に佐久間は堪らなくなる。自分の腕の中で、仔猫のように撫でて甘やかして、大事にしたくて……。