航空交通管制官の林恭梧は、高校時代にレイプされ、当時、思いを寄せ合っていた裄村凪への恋を断ち切っていた。だが、九年の歳月を越えてプロ野球選手となった裄村と再会し、消せていなかった思いを自覚してしまう。裄村への思いを断ち切ろうとする恭梧とは逆に、裄村は強い思いをぶつけて来た。恭梧は、これきりのつもりで抱き合い、部屋を出る。こっそり帰った上に、電話に出ない恭梧に焦れつつも、裄村は留守番電話に遠征で乗る飛行機の便名を残した。だが、その便を管制モニターから見送って、別れにしようと決めた恭梧の前で、便の表示が消えてしまう……。