著者名:
六条鎬 | |
鴉領の城下の甘味処で働く七緒は『鳥憑き』と呼ばれる鳥に好かれやすい体質だった。鳥憑きの力は神や妖を癒すとされ、巫女として優遇される。時には身体を使って癒すその仕事が遊女と同じで、七緒は巫女になろうとしなかった。ある日、いつも絡んでくるヤクザの若頭・貴丸に攫われかけたところを隻眼の侍に助けてもらう。侍の傷を鳥憑きが持つ癒しの力で直せば「巫女にならないか」と言われて……その晩、七緒は白い鳥の襲撃を受け、知り合いがいる遊郭へと逃げる。そこで同郷の友人・春日と出会い『神宿し』の領主慎之介を癒してくれないかと持ちかけられ、会うことに。通された座敷にいたのは領主ではなく、彼の身体を乗っ取ろうとする悪神・化け鴉。七緒を大巫女と呼び、肌に花弁を散らす。七緒は彼の愛した大巫女の生まれ変わりだと言われ、慎之介だけの巫女になろうとする。しかし、大巫女の癒しを欲しがるのは化け鴉の他にもいて……
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