とある事件から医師の仕事を捨て、絵画修復士の道に進んだ麻岡智哉は、ある日、海辺に倒れている天使のような美貌の青年を拾う。アトリエに連れ帰り介抱するが、意識を取り戻した青年はしかし、自分の記憶を全て失っていた。青年の懇願に負け、麻岡は彼に汀と名づけ、期限つきで一緒に暮らすことになる。最初は汀にクールに接していた麻岡だが、その一途で無垢な瞳に、柔らかなぬくもりに、次第に何者にも代えられない愛しさを感じるようになり……。孤独な魂に刻み込まれたラブ・オブ・デスティニー。