淫魔の血を受け継いだ海実(うみ)は、自分も含め、淫魔という存在に嫌悪感を抱いていた。大学の飲み会へ向かう途中、精気の欠乏により我を失った海実は、目の前に現れた見ず知らずの男から精気を奪う。その男が淫魔であると気付いたのは、間抜けにも翌日になってからだ。そんな苦い一日からしばらく経ったある日、着信を知らせるスマートフォンの画面に“永司(えいじ)”という見知らぬ名前が表示された。