中学三年生の恩田千夏は両親に寂しさを知って欲しくて、内緒で交換留学へ行く。しかし両親は娘の不在にさえ気づかず、千夏は毎日孤独と戦い続けていた。そんなある日、いつものように夕闇に染まる夏の帰り道を歩いていると、同級生の宇梶京介に出会う。挨拶すら交わしたことのない仲だったが、彼は母親が夕飯を作り過ぎたことを理由に千夏を家に招いた。そうして千夏は宇梶家と仲良くなっていくが──なぜか千夏の心境によって変わる周囲、そして最後にどんでん返しが待ち受けていた。