近未来の日本、マイナー団体のチャンピオンとしてキャリアを積み重ねている、瀬戸 隆一は、三十代を前にして、将来の展望をまったく見出せていなかった。一方、裏社会で力を示し続けていた真田家に属する男たちも、時代状況の変化により、裏の仕事を失いつつあった。様々な思惑や課題に直面した男たちは、示し合わせるでもなく、ボクシングのリングで拳を交えることになる。アクション盛りだくさんの一作。◆第十回新風舎特別賞文庫大賞受賞作品