女との駆け引きを楽しみ、愛のない享楽に耽る洋志。そんな彼を甲斐甲斐しく世話する菜摘。洋志は空気のような菜摘の存在を馬鹿にし、自らの見栄のために不本意なことばかりして彼女を傷つける。だが、人は空気がなければ生きて行けないように、洋志は菜摘の愛と優しさがなければ生きて行けないことに気がつかなかった。女性の純愛を徹底的に追究した究極のラブ・ストーリー。現代女性のあり方を問う作者渾身のメッセージ。