時は平安時代幼い頃に伊勢へと下向した伊勢の斎宮に、父の思い出も母の思い出もない。乳母であり侍女である命婦《みょうぶ》と、絵物語の中の美しい若君に憧れる毎日を送っていた。ある日、父の崩御によって、帰京することになった斎宮。帰京の道で待っていたのは俗世へ戻るための禊ぎとは……?