逞しい背中を彩る、艶やかな弁天の刺青――。元ヤクザの若頭だった板東(ばんどう)は、腕は一流の板前だ。そんな板東に惹かれ、住み込みで働くことになった、元フレンチのシェフ・巽(たつみ)。けれど、禊のように風呂で毎日板東の背中を流すうち、彼の癒えない心の闇が見えてくる……。ついに恋情と肉欲を抑えきれなくなった巽を、板東は「心は抱いてやれない」と拒絶! なのに、なぜか体は激しく抱いてきて……。 ※電子版には、紙版に収録されている挿絵は収録されていません。