八隅(やすみ)は夏の到来とともに、高校生活のすべてをかけてきた陸上部を引退した。陸上で大学推薦を決めて、走り続けているのは司馬(しば)だけ。ありあまる才能を持ち、傲慢なほど奔放な司馬だが、八隅との恋に苛ついている。何度体をつなげても、届かないものがあるようで。二人は夏の終わりの海をめざす……。