『幼なじみ』で『弟のよう』……。彼にとって自分はそんな存在であると知りながらも、密かに克巳を想い続けている光美。まだこの感情が恋だと気付かずにいた頃、無邪気に兄みたいに好き、と伝えてしまったせいで、今更想いを告げることもできないでいた。しかも、克巳が相続した、昔は旅館今はラブホテルとなっている洋館で働く光美は、彼にずっと探している女性がいるらしいと聞き……。始まりも終わりもない、この一方通行の切ない恋の行方は―─。