司法権力の中枢であり、日本の奥の院ともいわれる最高裁判所は、お堀端に、その要塞のような威容を誇っている。最高裁の司法行政部門である事務総局は、人事権を含むその絶大な権力を背景に、日本の裁判官たちをほしいままにコントロールしている。最高裁に君臨する歴代最高の権力者である須田謙造最高裁長官は、意に沿わない裁判官を次々に左遷し、判決の方向さえ差配し、ついには原発訴訟を電力会社に有利になるよう画策していく