小藩の剣術道場の師範代、山尾源二郎は同門の風見京之助と駆け落ちしたひとつ年上の許嫁、綾乃を追っていた。やがて2人を捕らえた源二郎は彼らを見逃すかわりに、ひと晩限りの約束で綾乃を好き放題にできることに……。(「渋柿」)小説現代に掲載された短編5編と中編「よろめき秘帖」を収録。(講談社文庫)