明治期の敷設以来、鉄道は日本近現代の政治、社会を映す鑑として、その変遷を見ることが可能である。ときに「我田引鉄」とも揶揄されるように、政治家が自らの選挙区に利益を誘導するがごとく鉄道を誘致する事例が明治、大正、昭和と途絶えることはなかったのだ。現代にも残る鉄道にまつわるエピソードを追いながら、日本の近現代史の様相をたどる。