イギリスの小説やフランスの小説を読んでいると、最近また目立って犯罪を扱った作品が多くなっ ていて、こうした傾向が単なる繰返しではなく、以前とは違ったある新しさが感じられるようになった。この新しさが、何よりも魅力だが、そうかと いって簡単 にこれを説明することは難しい。頭のいい作家がいて、ちょっとしたところをグイとひねって巧みに書くと、同じような犯罪事件でも、がらりと様相が 変わって しまうからである(本文『犯罪映画は新しくなっていく』)