ピアノの調律師・来宮、凍るような冷たい雨が降る冬の海で、ひとりの青年の姿を見かける。のちに、彼はピアニストの相澤楷といい、類い希なる美貌と『キャンセル魔』の異名を取るほどの気分屋として、話題の尽きない人物だと知ることになる。楷のためにピアノを調律することになった来宮だが、そのときから、謎めいた過去を持つ彼に惹かれていき…。