「29年前、デビュー作『さようなら、ギャングたち』でやり残していたことが一つだけありました。ラストは、もっと別の形のものになるはずでした。でも、その頃のぼくには書けませんでした。だから、『「悪」と戦う』のラストを書くために、29年前の忘れ物を取りに行かなければなりませんでした。忘れ物は回収しました。あとは前を見るだけです。」―――高橋源一郎