「頼む。お前のなかに入りたい」手描き友禅の職人である鴻一郎は、65歳。数年前に病気をした後遺症で、思うように作品を仕上げることが出来なくなってきていた。そんな折、遠縁にあたる従兄弟甥夫妻が事故で亡くなり、ひとり娘の蛍子が遺されてしまう。蛍子の絵の才能と17歳という若さを買った鴻一郎は、後継者として育て上げることを決意する。しかし、日増しに美しさを加速させる蛍子との生活は、鴻一郎の理性を崩壊させていき――。大人気作家が贈る、現代版「痴人の愛」ここに誕生!