和葉が就職面接に赴いたときは、しがない調査事務所で温和なおじさんがいたはずなのに…。初出勤で開いた扉の先は、真新しく整えられたオフィスと、そこにたたずむ男。精悍に整った容貌がよりいっそう危険な香りをかもし出しているその男こそ、所長の邑木だった。その視線に射竦められてしまう和葉。邑木を取り巻く人間たちは、どれも訳アリそうなクセ者ばかり。その一人、伊部警部の持ち込んだ依頼により、和葉はアブナイ潜入捜査をすることとなり…