親子3人で平和に暮らす栗原家に突然かかってきた、いたずら電話。電話口の女の声は、「子どもを返してほしい」と告げた――。子を産めなかった者、子を手放さなければならなかった者、両者の葛藤と人生を丹念に描いた社会派ミステリー長篇。