日常が一瞬にして非日常に激変する「怖さ」を描いたホラー短篇集。お臍の美容整形を娘にせがまれたのがきっかけで、自分の顔をいじりまくる母親。女性の丸い膝小僧を愛撫したくてたまらない、中年サラリーマン。薄毛に悩み、怪しい発毛剤に手を出す青年。「アヒルのようなお尻」と揶揄され“吐きもどし”がやめられなくなる女子高生。顎を殴ることに魅入られた、中卒のひ弱なプータロー。それぞれの欲望の果てに、躯が静かな復讐を始める──。