峰岸晄は五歳で伯父夫婦に引き取られ、空腹を抱えながら育った。母は死に、父は人を殺したからだった。学校では、椅子に画鋲が置いてあったり、いじめに遭った。幼なじみの木下怜菜は万引きまでさせられる晄をただ一人、案じてくれる存在だった。まったき孤独の闇の中で、晄が向かう先は――。驚愕のラストが待ち受ける、心に迫る傑作長編!