将軍家斉の御落胤・飛川角之進。彼は諸国悪党取締出役を任ぜられ、各地にはびこる悪人を、補佐役の春日野左近と手下の草吉とともに退治している。若年寄の指示で、みちのくの小藩・陸中閉伊藩に向かった角之進たちは、不穏な噂を耳にする。この地は、もともと鬼の棲み処だというのだ。おまけに、一昨年くらいから、藩主の顔を見たら、目が潰れるとまで、領民たちに言われていて……。書下し痛快時代小説。