大坂の廻船問屋「浪花屋」の船が、瀬戸内海で天狗の面を被った海賊に襲われた。諸国悪党取締出役の飛川角之進は、将軍家斉から命を受け、真相を探るため、補佐役の春日野左近とともに海路で備後福山藩へ。柳生新陰流の遣い手で、将棋の腕前は敵無しの角之進。旗本の三男坊として育ったため、市井で生きようと料理を習い、見世を構えていたが、出自ゆえに大名になったこともある。少々風変わりな経歴を持つ、快男児が悪事を成敗する。