「ああ、もっと強く噛んで」宗平に花園の突起を噛ませながら百合子は喘いだ。その尻には亡夫につけられた痣が散っている……明治も暮れゆく四十四年。十八歳の宗平が働く喫茶店の常連客百合子は霊能者であった。異能の美女は閨でもまた妖しく、加虐と被虐で若棒を翻弄する。やがて彼女の千里眼が見通した、宗平が東で出会う運命の人とは? 少年の異国への未来が開けようとしていた。