かつて”動く凶鬼”と恐れられた元広域暴力団至誠会幹部の扇堂石根は、七年前の抗争で恋人と妹を爆殺され、日本を捨て現在はバンコクでタイ女性と暮らしている。しかし、それは束の間の幸せだった。突然、恩義ある兄貴分の辰野が訪れてきたのだ。「この数ヶ月立て続けに至誠会の幹部が、事故を装って何者かに殺されている。暴力団新法で身動きできない自分に代わって、危機を救ってほしい」というのだが。