亜細亜電機会長・朝吹権兵衛が胃癌で倒れると、凄惨な後継者争いが始まった。共に社を興しながら、常に朝吹の次位に甘んじてきた社長・貝堂録造は筆頭専務や病院役員と手を結んだ。そして、手術後、順調に回復していたはずの朝吹の頭部に異常が発見された。癌が転移したというのだ。医師によれば、癌細胞の移植のほかには常識では考えられないケースであった。「金のなる病棟」「白き悪魔の館」「遺体生産病院」「白衣の殺人鬼」「白い復讐」の5篇を収録。