近代科学の粋を集めてそびえ立つ白亜の城・国立関東総合病院。東堂啓輔は三十九歳という若さでこの病院の第一外科部長を務め、脳外科の権威として知られていた。しかし彼の胸の内には、上司の辻第一外科部長追い落しの野望が燃えさかっていた。院長の椅子をめぐって渦巻く白衣の男たちのどす黒い野望、新薬開発に狂奔する製薬メーカー、極秘の新薬人体投与など、気鋭の著者が医学界の内幕を抉る問題作!