ママがずっとわたしの恥部だった――。就活に失敗し、逃げるように結婚を選んだ桃嘉。優しい台湾人の母に祝福されるも、理想だった夫に一つ一つ〈大切なもの〉をふみにじられていく。台湾と日本のはざまで母娘の痛みがこだまする長編小説。織田作之助賞受賞作。〈解説〉渡邊英理