著者名:
松元崇 著 | |
〔はじめに〕 今日小学校に入る子供が、大人になって就く仕事の六五%は、現在まだ存在していない仕事だという米国労働省の研究があります。野村総研の推計(二〇一六年二月二日)では、一〇〜二〇年後に、国内労働人口の四九%に当たる職業が人工知能やロボットで代替される可能性が高いということです。それは、IT革命によって激変する世界の生産構造がもたらす姿です。 現在の日本には人生の途中で転職することを良しとしない文化があります。その文化の下で、職を変わるのを支援する仕組みがほとんど整備されていないのがわが国の現状です。十数年後に六五%の人が現在まだ存在していない仕事に就くような時代には、日本はジリ貧になっていってしまいます。実は、多くの企業は、そのような事態に気が付いて対応を始めています。ところが、国や社会の対応となると誠に心もとないというのが実情です。このままでは、企業は一流でも国民生活は二流ということになりかねません。
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