浅草五重塔通りに美しき母娘が営むミルクホールがあった――。文士を志し上京した和田治郎は、遠縁である母娘の処で居候となる。心優しき美貌の未亡人寿美代と情熱的で可憐な娘となった早苗と再会し、治郎は淫らな妄想に憑かれてしまう。深夜、自慰に耽る彼の部屋に、しのびやかな足音が迫り……。多感な貴族家令嬢、高飛車な女教師も登場。めくるめく大正官能ロマン。