15歳で女子高生バンドを組んだ少女たちは35歳となった。夫の浮気を見過ごしてきた女。子供を通して自分を生き直す女。母親の呪縛から逃れられない女。「浮き輪に乗って漂っているような人生じゃなくて、自分の腕でがしがしと泳ぎたいじゃない」。生きる手応え、深い充実を求めてあがく女性たち。物語は私たちにそっと寄り添い、心震える感動のラストへと誘う。14年間埋もれていた傑作が今、光を浴びる。著者5年ぶりの長編小説。