目を覚ますと、そこは昭和20年、太平洋戦争下の東京だった――。政府の教育改革審議会で徴兵制(ちょうへいせい)に道を拓(ひら)く答申(とうしん)がまとめられた翌朝、審議会委員・日下良治を揺り起こしたもんぺ姿の妻は、息子に赤紙が来たことを告げた。21世紀に生きていたはずなのに(表題作)。現代日本に警鐘を鳴らす著者が、「絶望を通して希望を描いた」入魂の物語4編。