時は大正、3月のある朝、1人の少年が上野駅に降りたった。小学校を卒業し、〃飯べらし〃のため奉公に出された猪田新八の数奇な人生の第一歩である。14歳で異常な女体開眼をした新八は、その後、丁稚、日雇、実演ショーと渡り歩きながら女遍歴をかさねてゆく。――野望あるところに女あり。頑健な肉体と天性の図々しさを武器にした稀代の〃色魔〃の青春篇。鬼才梶山季之の渾身の大作、ついに登場。