著者名:
天野瑰 | |
「お別れだ、中尉殿。愛していたよ」特務曹長マイヤーは、ローベルト中尉を崖に追い詰め、撃った。彼を国外逃亡させるため一芝居うったのだ。そして、上官殺しの罪で捕われたマイヤーの前に、ローベルトの双子の兄・ノウエルが現れる。愛しいローベルトそっくりの容姿をもつ男に尋問され、心をかき乱されるマイヤー。一方、マイヤーの撃った空砲の衝撃でドナウ川に落ちたローベルトは、レフトアイと名乗るナゾの英国人に救われる。マイヤーの身を案じるローベルトは、彼の情報を得るためレフトアイに言われるまま身体を差し出す。そうして凌辱されながら、マイヤーとの甘い情事を思い出しているのだった。混沌とした時代に引き裂かれた二人に、再び愛しあえる日は来るのか――。『背徳リーベの濡れるロザリオ』につづく長編グランドロマン【寂寞を棄て春を待ち】シリーズ第2弾!
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