医者である水野が、ある夜再会したのは同級生の結城だった。胸に銃創を抱えてかつぎこまれてきた結城に、かつての思い出が蘇っていった。高校時代、秀才ばかりがいる学校で浮いていたのは結城だった。真面目一辺倒の水野にとって、危ない雰囲気のある結城に惹かれ、堕ちていく感覚はとてつもない媚薬だったのだ――。